書評の道〜ビジネス書・歴史ものメイン〜

主に本の読書感想を行っています。ジャンルは、実用書、歴史が比較的多いです。


東芝問題で考えた、自分の市場価値を意識することの大切さ

東芝がアメリカの子会社の原発事業での7000億円を超える巨額の損失で深刻な経営危機が生じており、連日大きなニュースになっています。

東芝は2015年に不正会計問題が発覚したことを機に、昨年から社員の給与カットをしましたが、今回の巨額損失問題を受けて新年度もこの給与カットを継続する方針のようです。

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巨額損失問題はいわば経営戦略の失敗というべきで、社員には何の責任もないのに、給与をカットされるのはたまったものではないでしょう。

しかし、当然のことですが、社員の給与は企業が負担するものである以上、企業の経営が傾くと給与減額やリストラが実施されるのは不可避です。

 

東芝といえば日本を代表する大企業で、就職先の人気も高く、ここに就職できれば一昔前は「勝ち組」とみなされていたはずです。しかし、いかに知名度が高く、就職先としての人気が高い企業であっても、いつ潰れてしまってもおかしくないことが、今回の一件で改めて分かりました。「大企業だから安心」という考えは今の時代においては、非常に危険ということでしょう。

東芝の社員の方でも、会社への恩義を感じていたり、あえて経営危機にある企業の中で仕事をするという貴重な経験を積むことに魅力を感じることで、給与カットされてでもなお残りたいという方もいらっしゃるでしょう。しかし、そのような積極的な動機ではなく、本当は転職したいのに自分の市場価値の評価が低く有望な転職先が見つからず、不本意ながら会社に残らざるを得ない方もいると思います。

 

やはり、いつ会社が潰れてもおかしくないと考え、定期的に自分の経験や実績を棚卸して、仮に転職する場合に自分の市場価値はどの程度で評価されるのかを検証しておく必要があるように思います。そして、自分の市場価値が高く評価されないという場合は、どのようなスキルや実績、資格が求められているのかを検証して、それを身に付けることも重要でしょう。

 

今回の東芝の一件で、自分の市場価値を常に意識するともに、時代の最先端にアンテナを張って研鑽を積むことの重要さを改めて感じました。